小田急百貨店新宿店本館。
新宿ミロード。
私が初めてひとりで新宿に行った時には、どれも存在していた。
最初は直帰することしか考えてなかったので、どこにも寄り道はしなかった。
でもそれから、新宿に訪れる機会が増えていき、新宿に来ると必ずモザイク通りを通り、ミロードの中を巡った。
小田急百貨店は当たり前のようにあって、無くなるなんて想像もしてなかった。アルタも新宿のシンボル的な存在で、待ち合わせ場所としても有名だと知っていたから、勝手にあり続けるものだと思っていた。
ある時、西口からモザイク通りを抜けて東南口へ出ようと思い、モザイク通りに向かったら、通りが閉鎖されていた。
新宿自体、頻繁に訪れる場所ではないので、訪れる度に思い出がひとつずつ増えていく。モザイク通りを通るたび、新宿での思い出がよみがえり、重なっていった。通りにあったお店の雰囲気も感じながら、吊るされているオシャレな電飾を見上げながら歩いていた。
もう通れないのか。最後に通ったのって、いつだったかな。
ある時、久々に新宿に来ると、空が広かった。
小田急百貨店がだいぶ前に閉館したことは知っていたが、建物自体が無くなっていたことはこの時初めて知った。夕焼け空が綺麗に見えた。見えてしまった。
再開発で取り壊されたとは聞くが、高いビルや建物が多い=現代、みたいなイメージがあるので、この時、低い建物ばかりが多く見えたことに対して昔の雰囲気を感じた。より新しくなるために取り壊されたのにすべてが古いものに見えた。自分の記憶に存在しない遠い過去でも見てるかのようだった。
全部無くなった。全部は言い過ぎかもしれないが、シンボルとなってたものが次々に無くなった。
新宿だけじゃない。まだ行ったことなくて行きたかったラーメンのお店も、数日前に閉店していたことを貼り紙で知った。通い始めていたうどんのお店も、私が体調を崩しているうちに閉店。土曜深夜のラジオ番組、みゅじぷらも急に最終回をむかえた。ほかにも、思い出せてないものもあると思う。
あまり、寂しいとか悲しいみたいなジメジメしたことを言うと、ハッピーじゃない気がするので言わないようにしてるけど、少しだけ言わせて欲しい。
お店がひとつ無くなるのも、誰かが活動やめるのも、番組がひとつ無くなるのも、寂しくないわけがない。この時期にはよくあること。でも何年経っても、そこに当たり前のようにあり続けたものであればあるほど、やっぱり寂しいよ!…ジメジメ終わり。
閉館の時には多くの人が集まり混雑するだろうと思っていたし、そもそも行ける状況にもなかったので、アルタも、ミロードも、最後の姿を目に焼き付けておくことは出来なかった。だいぶ前の記憶で止まっている。
それでも日々は進んでいくし、自分は目の前のことをやり続けて、追いかけて、駆け抜けていくことしかできない。
自分で意識してなくても、そのスピードは徐々に上がってきていて、
あっという間に一日が終わっていく。季節もすぐ変わる。周りは結婚して家庭を持っている。憧れちゃう。
時間の流れる速さは年々速くなっていくとは思うが、調節可能なところだけは、ゆっくり進みたい。前にしか進めないけど今は今しかないからね。